何をいまさら(2)

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というか、改めて考えると92〜93年頃に聴いた音楽から道を踏み外した気がする。


Selected Ambient Works 85-92
Selected Ambient Works 85-92 / Aphex Twin


あまりにも有名なAphex Twin(テクノ・モーツァルトとも言われるRichard D Jamesの名義の一つ)のデビュー盤ですね。
これ聴いたときも衝撃的だったんですよ。Tr1「Xtal」のあまりの美しさ儚さ。全然綺麗で落ちついた曲なんだけど、何故か聴くと焦る・・・。
今聴いても録音状態が酷すぎ(Ken Ishiiのより更に酷い)ですが、曲が良いので全く問題なしです。これもリスニング系ですね。



前述のGarden On The Palmとこれを聴いて音楽への向かい方が180度狂わされた気がします。
変な話ですが。
モチーフ程度の短いフレーズが表れては消えていくというか、かなりミニマルな感じに聞こえたんですが、それまで考えてたメロディというものとは全然違って・・・強迫観念的にメロディとは、曲とはこうあるべき的に考えてたのが全部覆されたんですよ。AメロもBメロもサビもブリッジも無し。コード進行も希薄か無いか。代わりに中毒性の高いフレーズが繰り返されるだけ・・・という。ダンス・ミュージックとも違いますし。最初は何をどう解釈していいか、かなり悩みましたね。
そこからですよ、金が無いわりに楽器機材が増えだしたのが。要するに普通のコード進行+メロディありきの曲を作るならDTM向け音源程度で全然不満を抱かなかったんだと思うのです。この何やら良く判らない、それでいて美しい電子音が、面白くて。音色を作りはじめたのもこの辺りの影響だと思う。要するにXXの曲のコピーしたいとか、XXみたいな曲を作りたいとか、そう言う感覚じゃなくなって、単純に自分が気持ちいい音が作りたくなっちゃったんですわ。同時にプレーヤー志向も無くなりましたから、弾く方の練習はしなくなっちゃったんですけどね。当初、テクノ系のフレーズは弾くと簡単なのが多いので、どっちかっていうとプレイヤー視点から馬鹿にしてた気がします。(ああっ。告白するとハウス系も馬鹿にしてましたー。)