人居ない・・・

ちょっとITProで昔の事が書いてあったので。

 昔々,まだ私がメインフレームのSEをやっていた20年くらい前の話です。その頃はまだ「SEはメインフレームのおまけ」だった時代の陰を引きずってい ました。時代は既にそういったことはやめようという声が主流になりつつありましたが,現実には様々な理由で「1台に1人」くらい貼りつきの技術者がいまし た。それはメインフレームの単価が安くないとか,エンドユーザーには扱いが難しいとか,様々な理由がありました。ただ,そういったどちらかと言えば後向き の理由の他に,「ベンダーがベンダーとしての責任を果す」という意味でもありました。つまり,納入したシステムの責任は最後まで面倒を見るということで す。そのため,すぐに対応できるそれなりの技術を持った人が,客先常駐していたわけです。

 最近はそういった世界から離れて久しいので,今はどうなっているのか知りませんが,当時はカーネルパニックのようなことが起きたりハー ドウエア障害が起きたりすれば,SEも営業も呼びつけられて顧客に叱られる。それが当たり前でした。最も,アプリケーションの方の信頼性はそこまでありま せんでしたが,それでも最低限自動復旧のシーケンスくらいは組み込んであったものです。それくらい信頼性の要求はシビアであり,そのためのメインフレーム でした。その当時の他のコンピュータ,オフコンやミニコンはそこまでの信頼性はなかったのです。

 そういった信頼性を出すのは,高い信頼性のハードウエアなりソフトウエアなりと,定期的な保守作業の結果です。また,それと同時に「それが当たり前」という空気の結果でもありました。

 そのために,極力ブラックボックスを作らないで,「すべてが見通せる」ための努力をしたものです。もちろんメーカー製のハードウエアなり ソフトウエアなりですから,非公開情報も少なくありませんし,すべてのソースが公開されているわけでもありません。しかし,様々な手段を使ってなるべくブ ラックボックスが少なくなるように努力をしていたものです。

 その当時の技術者が今の技術者よりも優れていたというわけではありません。ただ,そうやって信頼性を確保することが当然という空気があり,そのための努力をしていた(させられていた)というだけです。また,ハードウエアもソフトウエアもメーカーが把握していましたから,うまく人脈を使えば情報が引き出せ たりもしたわけです。また,メーカーはベンダーの差別化のためもあって,資本関係のあるベンダーには多めの情報を流したりしていました。

転機はWindows95が出た95年前後の事だったと思うけど・・・。


要するに今のように利用者に満足のいくだけの人員リソースが割り当てられない状況というのも、結局のところお金。。。汎用機であればシステム総額が億単位というのもザラだったし、運用にも保守にもそれなりの予算が割り当てられていたけど、ダウンサイジングでシステム総額が落ちた事で人員が割り当てられなくなっただけ。
汎用機→ワークステーション(UNIX)→サーバ(WinNT系)という流れでシステムは(GUIで)より初心者に扱いやすくなった。性能も上がった。 反面、コンピュータの本質というのは変わっていないので、本質的に理解すべき部分というのは何も変わっていない。。。むしろ、より難しくなっているとさえ感じる。
そのような状況であるから、金は安く、仕事は多く。という流れにどこかで歯止めが掛かる事を期待しているのだけど。(要するに人件費を正当に評価してもらえる状況)
ハードウェアが薄利多売で利益の出ない状況になっているのに、ソフトウェア、人件費までも安売りする。それで同じだけのサービスが得られるのかと。

あー、愚痴ですね。