音楽電卓

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CASIOのVL-Tone(VL-1)以前の、いわゆる電卓の形をした音を奏でるものが気になって調べてみたけど、あまり情報が無い。VL-Toneあたりだと時折ヤフオクなどで出るようだが、さすがに音楽電卓じゃ無理か。



本気で「電卓」で「Pocket Calculator  /  Kraftwerk」弾いたら楽しかろうと思ったんですが。


そういえば、Kraftwerkのロボ声の正体って、TI社の「Speak & Spell」だとばかり思ってたんですが、TI社の「Language Tutor」って機械だったそうです。一時「Speak & Spell」が高値になったり、改造が流行ったりしましたけど、なんだかなぁ。ま、面白そうだからいいですか。

で以下、無断転載。

KRAFTWERKが名曲「電卓」でピッ・ポッ・ピロロンという印象的な効果音に使用していた、米テキサス・インスツルメンツ社の1979年製、電 子音声翻訳機 LANGUAGE TUTORです。「電卓」で使われていたのはこれの操作ボタンを押した時に出る音です。アルバム「COMPUTER WORLD」LPのインナースリーブの写真にも使われてます。以前のクラフトワークのコンサートでは「電卓」を演奏する時、フローリアンがこのマシンのボ タンを最前列の観客に押させて効果音やボイスを出してました。会場で、またはビデオ等で見て、このボタンを押してみたかった人は多いと思います。 このLANGUAGE TUTORは「電卓」だけでなくアルバム「COMPUTER WORLD」全編で多用されています。タイトルトラック「COMPUTER WORLD」での単語のロボット・ボイス、「NUMBERS」での各国語での数字の掛け合いの声など

一般に当時クラフトワークの使用していたロボット・ボイスは同じTI社のSPEAK&SPELLだと思われていますが、実際は SPEAK&SPELLは「HOME COMPUTER」のイントロで起動音が使用されただけで、このアルバムで使用されている ロボット・ボイスはすべて LANGUAGE TUTORのものです。各国語バージョンのアルバムではちゃんとモジュールを変えて使ってます。ドイツ盤ではドイツ語モジュールの声が聴けます。最近のラ イブでは「NUMBERS」に新たに LANGUAGE TUTORのドイツ語がサンプリング使用されているので、本人たちもこのマシンが非常に気にいってるようです。

機能について
LANGUAGE TUTORはモジュールを交換することによって各国語を翻訳、TEXAS INSTRUMENTS社独自のスピーチ・シンセシス技術によって言葉(単語・フレーズ)を喋ることの出来る 電子音声翻訳機です。モジュールにはドイツ語、フランス語、スペイン語等があります。今回、出品するものには フランス語のモジュールが附属しています。英語、スペイン語、ドイツ語等から フランス語に翻訳できます。逆も可能ですがその場合ディスプレイに表示されるだけでフランス語以外は発音されません。 翻訳方法は単語を直接キーで打ち込む方法、フレーズを番号で指定して喋らせる方法、様々なカテゴリーから選んで喋らせる方法等があります。フレーズを連結 してオリジナルのフレーズを喋らせることも可能です。1,2,3と押すとアン,ドゥ,トロワ。A,B,Cと押すとアー,ベー,セーと発声します。

声質はまさにクラフトワークの声です。本物はやはり一味違います。イヤホン・ジャックがあるので録音、サンプリング等が出来ます。電池、ACアダプ ター(附属しません)が使えます。金属パネルの本体は適度な大きさと重みがあり 、子供用のSPEAK&SPELLと違い、高級感があります。デザインもシンプルでモダン、まさにクラフトワークっぽい感覚です。

SPEAK&SPELLは 有名ですが、この機材をご存じの方は少ないと思います。海外でも滅多に見かけません。ヤフオク出品も初めてではないでしょうか。また年数が経っているのと 製作数が少ないため、完動品が非常に少なく、何処かで発見したとしても5〜6台に1台動けばいい方です。KRAFTWERKファンの方、本物のロボ声を求 めている方にどうぞ。

※写真では「KRAFTWERK」と表示させてますが、発音は出来ません。(モジュールに収録されている言葉しか翻訳・発音できません。)


Speak&Spellにしても、VL-Toneにしても、カシオトーンにしてもですが、チープな楽器ほど改造する人が現れて、多分制作者の意図しない使い方がされるような気がします。骨の髄までしゃぶられるというか、そんな感覚。チープな音と言いつつどことなく郷愁を感じさせる音が出るというのも、愛される理由なのかも知れませんが。