キース・エマーソンが亡くなったとニュースで知った。
71歳だった。
EL&Pのキーボード(というかオルガンとピアノとシンセサイザー)の人と言っても判らない人も多いだろうけど、ザ・ナイスの人って言ったら余計に判らないだろう。
70年代にプログレ(プログレッシブ・ロック)が一世を風靡した時代があって、EL&Pはそのプログレバンド四天王の一角だった。
キース・エマーソン(Key ex.ザ・ナイス)、グレッグ・レイク(B,Vo ex.キングクリムゾン)、カール・パーマー(Dr ex.アトミック・ルースター)というトリオ構成で、それぞれ別のバンドに居たのだけれど、解散したり脱退したりして結成された夢のスーパーグループな訳だ。最初からプロというか売れる必要が有る状態でもあった。とは言っても当時はアート・ロックなどをベースに一層過激になったり、ウッドストックの成功があったり、69年にキングクリムゾンがビートルズをチャートの一位から引きずり落とし(と言われている。)たりと、時代の変わり目だったことは間違いなく、より一層複雑に進化をしていたロック音楽にとってはプログレは当然の流れだったようで彼らの音楽もロック・クラシック・ジャズ等が絡まった複雑な音楽性が売り。
残念ながら(年齢的に)リアルタイムでは無いのだけど、高校生の時にバンドやってた先輩の勧めで聴いてみたら、のめり込んでしまった。プログレ勢の中でもブルースやロックンロールではなく、クラシック、ジャズからの影響が色濃く当時流行りのプログレかと言われれば若干違うけど、逆に年月を経て聴いても新鮮に感じられるほど斬新な音楽だった・・・と少し褒めすぎかも知れないが。とにかく良く聴いた。
中でも彼らの中で好きな作品(アルバム)はタルカス、展覧会の絵、恐怖の頭脳改革と、一般的にみんな大好きな作品。
タルカス
展覧会の絵
恐怖の頭脳改革
好きな順で書きましたが、
タルカスは2枚目のオリジナルにあたり、初の3人による合作と言える作品。非常に特徴的な4度のリフ(というかモチーフ)で始まり、タルカスという空想上の生き物というかアルバムが謎の戦車のお話になっている。個人的に一番好き。TarkusからAre You Ready,Eddy?まで一気に聴けます。
展覧会の絵はムゾルグスキーの作品を3人で演奏してしまったというライブ作品。クラシックのロックアレンジという点でも画期的だが、実はライブでちょくちょく演奏してたらブート盤が出回ってしまい、レコード会社が急遽正式にアルバム化したといった経緯のもので本人達はそれほどの思いは無かったよう。
恐怖の頭脳改革はEL&Pが自分らのレーベルを立ち上げた時のアルバム。EL&Pの中で一番に挙げる人が多い超名盤。
キース・エマーソンと言えば、ザ・ナイスでも、EL&Pでも(ギターレスで有りながら)演奏面でも、ステージパフォーマンスの面でもバンドの中心として有り続けた人。幼少期からクラシックとジャズに囲まれて育ったというだけあってそれは明らかに聴けば判るし、オルガンに乗っかってナイフで刺しちゃって、その後ぶっ倒すなんてパフォーマンスは彼くらいだろう。そして実はロック音楽にシンセサイザーを持ち込んだ人でもある。
どちらかと言えば目立たない鍵盤楽器奏者の中で特に異例の存在だろう。
EL&Pの解散後も映画音楽への楽曲提供だったりと色々と活躍してたし、1990年代にEL&Pの再結成もあったし、近年もEL&P再結成して4月には来日ライブの予定もあったし、まだまだ活躍してほしかったのだれど。
謹んでご冥福をお祈り致します。
RIP Keith....
余りにショックが大きく久々にここに書いてしまいました。。。
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